12月6日(日)、東京渋谷区でオイコスの会@東京第八回勉強会を開催しました。
 堀茂樹代表は「エマニュエル・トッド入門、その2」と題し、トッドから読み取れることとして今回は、普遍性と多様性、また意識下の問題について講義しました。
 普遍性と多様性に関しては、多様性を多様性として意識していくためには普遍性という概念が不可欠であること。しかし一方で普遍性は決して同一性ではないことを学びました。
 また、意識と無意識については、トッドの家族人類学によれば、日本は「権威主義的直系家族」であり、親世代が権威をもち、兄弟の中は不平等で一般に長男にその権威が引き継がれること。そして、そうした考え方が社会のあらゆる仕組みの中に浸透しており、われわれ日本人はどんなに平等の思想を唱えても、無意識のうちこうした価値観で行動している部分があることを学びました。
 しかし一方で、日本人一般としては「権威主義的直系家族」という無意識下で行動しているとしても、個の主体としてみたとき、一人ひとりはそうした無意識を超越し意識的に生きようとすることもまたできることを学びました。
 第二部では立命館大学の髙橋伸彰先生をお迎えして「アベノミクスの評価と日本経済復活のポイント-経済学の危機を超えて-」というテーマで講演していただきました。
 現在は企業にとって賃金はコストとして考えられるが、一方で国内経済にとっては貴重な購買力であり、この賃金が増えなければ内需は決して増えないこと。ところがグローバル化の進展で海外依存度が高まるにつれ、企業の中で賃金はコストという意識が支配するようになり、生産性が上昇しても内需を押し上げる賃金に反映されず海外競争力の強化にまわされるようになっていることをデータを元に学びました。
 一方で、戦後の経済成長を見ると1973年までの高度成長期は平均9.1%、1974年から1990年までは安定成長期で平均4.2%の成長を遂げていましたが、それ以降はおおよそ0.9%ほぼゼロ成長。こうした数字が示す中で今後の経済政策を考えていかなければならないことを確認し、そのためにも資本の論理による利害関係から共同体の論理による共に生きる関係へ回帰する重要性を再認識しました。
 なお、次回オイコスの会@東京 第九回勉強会は2月下旬開催を予定しております。

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