5月29日(日)東京・自由が丘でオイコスの会@東京 第十回勉強会を開催しました。

今回は「グローバルな視点から経済と社会の動きを考える」と題し、
堀 茂樹、岩本沙弓両代表の講義を中心に、グループディスカッションにも重きを置き、
参加者が両代表と直接議論する時間を多くとりました。

岩本沙弓代表は経済の動きの中で、為替の問題と消費税・付加価値税の動向について講義。
事前に配布された十数頁に及ぶ手元資料に基づき、為替については、
ドル円為替レートの推移や今年4月に発表された米為替報告書等々から
為替のトレンドや各国の為替政策について解説いただきました。
また、ECの付加価値税(VAT)恒久改革については、
なぜいま、付加価値税恒久改革が必要とされているのか、
人工的な地域共同体としてのECという特殊な環境と
VATの制度上の問題との両面から読み解いていただきました。
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一方、堀 茂樹代表はグローバリゼーションについて、政治・経済と文化の両面から解説。
19世紀末から20世紀初頭、第一次世界大戦が始まる前までの間、
フランスでいえば「ベル・エポック」と呼ばれる時代に、
貿易面などで「グローバリゼーション」が始まった。
しかし第一次世界大戦後の世界恐慌で英米を皮切りに保護貿易主義・ブロック化が進み、
各国が統制経済に移行し、第二次世界大戦へと突入する。
そして戦後の1970年代前半までの経済成長黄金期はむしろ各国の経済管理が進み、
アメリカや日本では経済における海外依存度は低かったという事実を数字を基に解説。
また文化的な側面でグローバル化をみると、トッドの見解を例に挙げながら
識字率の向上が特徴的で、これにより、人間の知的ポテンシャルがあがり、
結果として親の権威が低下するという、ある種の近代化が進み、
地球規模でみると貧困は減少。しかし一方で、先進国における貧富の差は大きくなり、
相対的貧困が進むという問題を孕んできたということです。
グローバリゼーションは、各国の共存というより富の奪い合いという側面があり、
こうした問題をきっかけに、いま改めて国民国家の役割の再定義が
要請されていると指摘されました。
さらに、トッドとの交流等から得た知見を基に
フランス社会の最新情報についても解説いただきました。
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@京都の次回シンポジウムが7月開催予定ですので、
@東京の次回勉強会は8月開催を予定しております。
詳細が決まりましたら、改めて告知させていただきます。

上記報告は@東京 事務局の責任において記述しました。【文責 大木啓司】