10月23日(日)に京都で、11月13日(日)には東京で、それぞれオイコスの会の勉強会が行われました。
今回は京都、東京ともに共通テーマでの勉強会で、ゲストスピーカーに早稲田大学ビジネススクール(大学院経営管理研究科)教授の岩村充氏をお迎えして貨幣について学びました。岩村先生はかつて日銀に在籍されており、『中央銀行が終わる日』の著者としても知られています。
当日のテーマは、「貨幣はどこから来て どこへ行くのか」。貨幣の始まりからその変遷、ブレトン・ウッズ体制の発足と金本位制、そしてニクソンショック後の変動相場制と中央銀行の役割、さらに低成長時代における金融政策の有効性の検証などを俯瞰的に解説いただきました。
後半はこれらのことを前提に、全く新しいコンセプトの貨幣として注目されているビットコインに関して、その概要や哲学的な意味、今後の可能性について学びました。
約3時間におよぶ講義は非常に内容豊富なもので、今後の経済を考える上での知見が随所に盛り込まれていました。質疑も活発に行われ、充実した一日となりました。
また当日は、ビットコイン事業に携わっている(株)来夢の韓元徳氏にお越しいただき、ほんの入口だけですが、実践的ビットコイン入門の貴重な体験もしました。
一方、堀茂樹代表はエマニュエル・トッドの知見を背景に、『「個人・家族・国家」の再考』というテーマで講演。
堀代表は家族形態と人類史を概観しながら、グローバル化が進み世界がボーダーレス化していっても家族システムに由来する価値観や文化の差異は残る。そのため、日本においても「個」の時代と言われながら、日本人の価値観は個人化になじんでおらず、それ故に個人主義の暴走や集団主義の押しつけが発生する。個人の自由のためには国家は必要で、グローバルの弱肉強食から個人を護るのもまた国家である。今後、日本が本当の近代化を達成し、個人を解放するためには改めて国家の役割が不可欠になるだろう。英国の国民投票や米国の大統領選にもみられるように、グローバル化が進むことで逆に国家の再認識・再構築が進みつつあるのが現代だとの見解を示しました。
上記報告は@東京 事務局の責任において記述しました。【文責 大木啓司】